• 文字の大きさ
  • 普通
  • 拡大
  • サイトマップ
  • お問い合わせ
グローバルナビ表示切り替えボタン

外科

当院の外科のご案内です

Surgery

各科外来の曜日ごとの担当医の一覧表です。(病院窓口でお配りしているものと同じものです)

腹腔鏡下手術とは?

腹腔鏡というのはお腹の中を見ることができるカメラのことで、原理は胃カメラなどと一緒です。お腹に小さな穴を数か所あけて、そこから細い器具を入れてテレビモニターを見ながら手術をする方法が腹腔鏡下手術といいます(図1)。

  • 図1

お腹の手術をする場合、以前はお腹を大きく切って手術をすることが一般的でした。しかし、近年腹腔鏡下手術が急速に進歩しており、大きく傷をつけて手術をすることが少なくなってきました。

腹腔鏡下手術の利点と欠点

この手術の最大の利点は傷が小さくて済むために痛みが少なく、美容的にも優れていることです。また体への負担も少ないため早期退院・早期社会復帰が可能となります。一方欠点としては、手術の難易度が高くなり通常開腹手術よりも時間がかかることが挙げられます。我々手術する側としては面倒な手術ということになりますが、患者さん側の利点を考えると非常に優れた手術方法といえます。

腹腔鏡下手術の進歩

10年程前までは外科で行う腹腔鏡下手術は胆石の手術のみというのが一般的でした。しかし、現在では胃癌や大腸癌といった悪性疾患に対しても腹腔鏡下手術が行われるようになってきました。胃癌の場合、従来の開腹手術では大きな傷跡が残っていました(図2)。一方、腹腔鏡で手術した場合、何の手術をしたのか分からないほどに傷跡が残りません(図3)。○印をつけたところに5mm程度の傷があり、あとは臍を切って胃を取り出しています。以前は胃の手術をすると1ヶ月以上入院が必要でしたが、この方法だと手術後10日程で退院できます。同じ手術でも最近はここまで進歩しています。

  • 図2
  • 図3

肝臓、膵臓に対する高難度の腹腔鏡下手術

ここ最近では、秋田県内でも胃癌や大腸癌の腹腔鏡手術を行う病院が増えてきました。一方で肝臓や膵臓、脾臓などの手術を腹腔鏡手術で行っている病院は国内でも数少ないのが現状です。肝臓の完全腹腔鏡下手術は県内では当院でしか受けることができず(図4)、2013年4月に行った単孔式腹腔鏡下肝臓切除は東北で初めての症例となりました。膵臓の腹腔鏡下手術に関しても県内では当院でしか受けることができません。2016年8月には県内初となる腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術をおこないました(図5)。現在では、肝細胞癌や大腸癌肝転移に対する葉切除や亜区域切除といった難易度の高い肝切除、膵臓癌や膵臓良性腫瘍に対する膵体尾部切除に関しましても岩手医科大学外科学講座の協力のもと、手術手技のQualityのみならず安全面に関しましても十分配慮し、安心して患者様が手術を受けていただけるように心がけております。

  • 図4
  • 図5

より整容面にすぐれた腹腔鏡下手術

開腹手術と比較すると傷の小さい腹腔鏡下手術ですが、近年ではReduced Port Surgeryという、より体に傷を残さない手術がおこなわれるようになりました。何か所も傷をつけずに臍を一か所だけの傷で手術をする単孔式腹腔鏡手術という方法があります(図6)。当院では岩手医科大学外科学講座の協力のもと、2008年2月に行った単孔式腹腔鏡下脾臓摘出術は国内で初めての症例となりました(図7)。現在では炎症の少ない胆石症のみならず大腸癌に対しても積極的に単孔式腹腔鏡手術を行っております。

  • 図6
  • 図7
  • 図8

一方でNeedle Scopic Surgeryといった方法も導入しております。従来はポートを留置するのに5mmの皮膚切開を必要としましたが、当科では竹串と同じくらいの細さの2.4mmの細径鉗子を使用し手術を行います(図8)。手術終了後には皮膚を縫う必要がありません。この方法を肝臓・膵臓以外の、ほぼ全症例で行なっております。5mmの傷よりもより目立たなく、かつ痛みも軽減できます。緊急手術に対しても導入しており、急性虫垂炎や鼠径ヘルニア嵌頓に対しては全症例この方法でおこないます。